Novels

アイオライトの心臓

宝石は魔術師の新たな臓器となり、器官となる。

 

忌まわしき呪いに蝕まれた少年ロクドと光り輝く少女ヨグナ、そして夢の中に現れる若き魔術師レドニス。三人の運命は五百年の時を越え、やがて交錯する。

痣に纏わる呪いの謎を巡る、魔術と輝石のハイ・ファンタジー長編。(完結済)


祈りの国

彼の国はいかにして生まれたか。

 

春の祝祭の夜、少女・キイラの村は異教徒らによる襲撃を受ける。天涯孤独となった彼女を救ったのは、異教徒討伐の命を受けた〈二軍〉の魔術師らであった。喋る指環・カドを携え、復讐を果たすべくキイラは〈二軍〉への入隊を画策するが……。
国の行く末を巡る、貴石と魔術の復讐譚。(連載中)


蜉蝣の家

どうしたらいいんだろう、この淋しさを。

 

医学生・佐々山譲と、19世紀英国の少年・レヴィン=アンドリューズ。彼らの前にはいつもチェスターコートの男が佇んでいた。憂いに満ちた琥珀の瞳を、やわらかく細めながら。

悩める二人の奇妙な邂逅を描く静謐な幻想中篇。(完結済)


天の火を浴びよ

神は誰もお見捨てになったりはしない。

 

驟雨はげしい春の夜、若き司祭アルセン・ベロワは廃教会にて子どもを拾う。類まれなる美貌を備えたその子どもはユーリイと名乗るが、彼はおぞましき異形の存在であった。

とある男が告解部屋で語りはじめる、かなしくも奇怪な物語。(完結済)


何処へ

レネ。蛹の中身はどんな味がする。

 

煉瓦工場で働くわたしは、錆びついたバルコニーの手摺の上にジャコウアゲハの幼虫を見つける。わたしは彼女にエマと名付けた。きっと美しい蝶になるだろう。

夢と現実の融け合う幻想掌編。(完結済)


18区の魔法使い

私を暴くな。

 

魔法使いは〈18区〉に棲む。

魔法使いは大いなるわざを操る。
魔法使いは崇拝され、忌避される。
魔法使いは過去を暴かれてはならない。
なにかを喪い、大いなる力を得た〈18区〉の魔法使いたちを巡る断片集。

 


星の砂、水晶の骨

「わしの旅に同行しておくれ」「なに?」

 

老人・ゼトは旅に出た。「悪い魔法使い」こと魔術師・エルトウを相棒に、老人は砂漠を目指す。うつくしい〈水晶の森〉の幻をまなうらに抱いて。

ちぐはぐなふたりの珍道中を描く、魔術と異国情緒のハイ・ファンタジー中篇。(連載中)


断片集